摩擦抵抗

 摩擦力とは、ある物体を移動する時の抵抗になる力のことで

F = μN

の公式であらわされます。
F は摩擦力、 μ は摩擦係数、 N は抗力といいます。Fの数値より大きな力をかけると物体は移動し始めます。

摩擦抵抗と矯正力の関係
歯に100gの力をかけるには、摩擦抵抗の100gを加えて、200gの力が必要となる。 

 矯正治療でも、歯が動く時にはワイヤーとブラケットの間に摩擦力がかります。その場合、Fは歯を動かすのに最低限必要な力、μはワイヤーとブラケットとの摩擦係数 Nはブラケットとワイヤーが、接触する力ということになります。これでお解りにように、矯正治療では、μの数値が小さければ小さいほどワイヤーにかかる摩擦力は少なくなり、弱い力で歯をうごかすことが可能になります。マルチブラケット装置(デーモンシステム3)は、μの数値が従来のブラケットに比べて非常に小さく、製造元のデータから、太めの角線を使用する場合に、摩擦抵抗は100分の1以下になることが公表されております。歯を動かす力は20〜80gくらいが、適正であることがわかっており、その範囲で矯正力をくわえると歯の移動スピードもより早くなります。過剰な力は、歯の移動スピードを遅くするばかりでなく、歯を支える骨や、歯肉を退縮させるリスクもしょうじることになります。摩擦抵抗をできるだけ抑えて、弱い力で歯を早く、安全に動かすことが矯正治療のひとつの目標であります。

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杉山矯正歯科医院
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